「世界中から嫌われるアメリカ　―　その理由」http://blogs.yahoo.co.jp/saipan_is_number1/62346438.htmlの続き

前記事「世界中から嫌われるアメリカ　―　その理由」において、アメリカの我欲的外交が世界中で様々な軋轢を産み出していることに触れてきたが、その一方、アメリカはシナより狡猾なため、そうしたダブルスタンダードをカモフラージュすべく、様々な裏工作を歴史上邁進してきた。

実際、自身の斯様な恥部を覆い隠すための工作は、アメリカの歴史そのものに色濃く反映されている。その代表的事例が先住民撲滅政策であろう。

初代大統領のジョージ・ワシントンへの粉飾的な英雄視も、実はその一環だったようだ。なぜなら彼が独立戦争時に先住民にした在逆非道な行動は以下の如く実に凄愴であったゆえ；

かつて、司令官ジョージ・ワシントン（米初代大統領）はこの地を領土とするイロコイ族の皆殺しを指揮し、彼らの集落を徹底破壊して、イロコイ族から「町の破壊者」と恐れられた。イロコイ族がイギリス軍と同盟を組んでアメリカ植民政府側に刃向かったからである。ワシントンは軍隊に殺したイロコイ族の皮を剥がせて、軍装の飾りにさせていた。

（Wikipedia）

これなどは、アメリカによる先住民ホロコーストの氷山の一角に過ぎない。クリーク戦争になると、その酸鼻さはさらに苛烈となっていく。

インディアン諸部族が英米の侵略に対して蜂起。ショーニー族の若き戦士テクムセの呼びかけにより、米軍との徹底抗戦を決めたクリーク族インディアンの戦い（クリーク戦争）と、休戦条約の頃にメキシコ湾沿岸からのイギリス軍による侵攻が含まれる。

1814年3月、アンドリュー・ジャクソンはテネシー州民兵、チェロキー族戦士およびアメリカ陸軍正規兵を率いて南部に向かい、クリーク族のメナワたちインディアン戦士団と戦った。

3月26日、ジャクソンとジョン・カフィー将軍はホースシュー・ベンドの戦いでクリーク族を打ち破り、クリーク族1,000名の中800名を殺したのに対し、約2,000名のアメリカ軍・チェロキー族連合軍は40名の戦死と154名の負傷に留まった。ジャクソン軍は生き残ったクリーク族を追跡し降伏に追い込んだ。インディアンはイギリス側に付き、イギリスも支援していたので、多くの歴史家がクリーク戦争を米英戦争の一部と見なしている。

ジャクソンは殺したインディアンの鼻を削がせて戦利品とし、死体から皮を剥がせて軍馬の手綱にさせた。また「女を生き残らせるとインディアンがまた増える」として、赤ん坊でも幼女でも、構わず女を虐殺させた。
多くのインディアン部族が消滅寸前まで虐殺され、領土を奪われて散り散りとなった。インディアンを追いだした広大な土地は、アメリカ植民政府の植民地となった。

（Wikipedia）

アメリカ国内にいた先住民はかつては一千万人を越えたと見積もられているが、こうしたアメリカ政府の迫害の結果、一時期は１００万人前後まで人口が激減してしまった。つまりこれはれっきとした民族浄化すなわちホロコーストである。

されど欺瞞にかけては民族性とも言えるほどの知悉を持つアメリカは、斯様な自国の暗部をカモフラージュするため、戦前よりハリウッドをフル活用してきた。その最大の貢献者は西部劇だ。これの世界的大ヒットにより、自国をはじめ世界各国で、「インディアン（先住民）は野蛮で獰猛ゆえ、文明人（白人・コケイジャン）に対して残酷で危険な存在だった」という概念を植えつけるのに成功してきたゆえに。

特に象徴的なのはこうした先住民掃討作戦で唯一失敗したリトルビッグホーンの戦い（Battle of the Little Bighorn）の推戴だ。これはカスター将軍（大佐なのだが）率いる第七騎兵隊225名名が全滅された事件であるが、アメリカではこのエピソードを以下の如くこれまで幾度も映画化している。

• 『カスターの最後の抵抗』（Custer’s Last Stand 1936年)
・『壮烈第七騎兵隊』（They Died with Their Boots On、1941年）
• 『野蛮人』（The Savage、1952年)
• 『シッティング・ブル』（Sitting Bull、1954年)
• 『第7騎兵隊』（Seventh Cavalry、1956年)
• 『最後の一人まで』（Tonka、1958年)
• 『金、栄光、そしてカスターの鎮魂歌』（Gold, Glory and Custer Requiem、1960年)
• カスター将軍の最後(THE GREAT SIOUX MASSACRE 1965)
• 『カスター伝説』（The Legend of Custer、1967年)
• 『カスター将軍』（Custer of the West、1968年)
他複数

もちろん映画以外に、小説や演劇でも多数このリトルビッグホーンの戦いは今日に至るまで数多く取り上げられてきたのは周知のとおり。

これらの映画による効用はすさまじく、これによって、たった２５５人のアメリカ・コケイジャン（忌まわしい表現で言えば「白人」）が殲滅したことと、数百万人も死に追いやられた先住民とイーブンの如くアメリカ人を思わしめてきたのだから。

もちろん何も検証しない世界各国の西部劇ファンなどもその影響を受けていることであろう。

続く

参考文献

アンドレ・キャラビ著「日本人が知らないアメリカ
マイケルムーア著「おいブッシュ、世界を返せ」